防災対策ガイド TOP > 電気が止まったときのための防災グッズ
懐中電灯より広い範囲を照らすランタンは、夜間の調理や作業の必需品です。これがあるとないとでは、夜間の心理的な安心感が違います。被災時の防犯用にも役立ちます。灯油(ガソリン)、ガス、電池など、燃料によりいろいろな種類があります。手軽さでは電池→ガス→灯油ですが、明るさは灯油→ガス→電池の順です。目的や燃料の入手のしやすさにより使い分けるため、できれば2種類以上揃えておきたいものです。
灯油式は光量は抜群です。メーカーによっては自動車用のガソリンが使えるものもあるので、灯油がなくなったら車のガソリンを抜き取って使えます。また長時間連続使用できるのも長所です。
短所としては取り扱いに慣れが必要なこと。ガソリンは特に、取り扱う時に火気に注意する必要があります。子供のいる家庭では、子供が倒したりいじったりして事故につながる可能性もあります。
ガス式はカセット式コンロと同じカセットを使うので、灯油式より手軽ですが、光量が灯油式より落ちるのが短所です。メーカーが違うとカセットの互換性がないので、コンロと同じメーカーの製品を買うのがコツです。
電池式はメインとして使うには光量がものたりないですが、火災の危険性が少なく、サブとして備えておきたいと思います。白熱灯式、蛍光灯式、LED式があり、一般にはLED式→蛍光灯式→白熱灯式の順に消費電力が多くなり、使用時間が短くなります。100円ショップなどに売っている安物は壊れやすいものもあるので、防災用としては不向きです。ホームセンターなどである程度しっかりした作りの物を選びましょう。
ランタンも懐中電灯も燃料や電池が切れればただのゴミ。でも長時間使用可能なロウソクが一本あれば、真っ暗闇は避けられます。一度備えておけば、燃料や電池のような寿命がないので、半永久的に使えるのが強みです。中には連続百数十時間使用可能なものもあります。「非常用ロウソク」と銘打った製品は、たいていロウソクとマッチがセットになっています。
ランタンとしても簡単な保温器具としても使えるすぐれものの防災グッズとして「安全キャンドル」という製品もあります。これは透明なフードのついたロウソク立てで、屋外や雨の中でも使用でき、風が吹いても消えることがありません。倒れたりする危険性も少なく、安心して使えます。
電気が止まったとき、テレビや洗濯機などの家電は単に使えないというだけですが、冷蔵庫の場合は別です。電気が止まると、冷蔵庫は氷や霜が解けて水を垂れ流し、嫌なにおいも発します。つまり冷蔵庫をいつもの状態に保っておくには、電源が必要です。このような場合に、電気を簡易に作ることが出来るのが、小型発電機です。
普段は車に積んでおいて、釣りやキャンプ、お花見やカラオケ、日曜大工や芝刈りに使い、いざというときは非常用電源として重宝します。ガソリンを燃料とするものがほとんどですが、一部カセットボンベを燃料として使えるものもあります(最近はガソリンも缶詰があります)。
価格は5万円ほどから。ヤマハ、ヤンマー、ホンダ、三菱重工などのメーカーから発売されています。パソコン、エアコンなどを使う場合は「インバーター式」と表示のあるものを選びます。
懐中電灯はどの家庭にも備えてあると思います。乾電池式と充電池式があり、また手に持って使う一般的なタイプの他に、ヘルメットに使うキャップライトや大光量の強カライトもあります。
普段コンセントに差し込んで充電しておき、使うときにコンセントから抜く充電池式は、乾電池式のようにいざ、というとき電池の寿命がきて使えない、といったことがないから便利のように見えます。
しかし、充電池にも寿命があります。充電と放電を繰り返すうちに寿命が来るし、使わなくとも、充電を続けていても寿命が来ます。いざというとき寿命で困るのは乾電池と変わりません。
乾電池は製造年月日の表示を見ればおおよその使用期限が分かるのに対し、充電池は分かりづらいぶん、防災用としてはかえって使いにくいと思います。寿命は2年ほどと考えておきましょう(乾電池は1年)。
10年ほど保存しておいても0Kな充電池が開発されれば別ですが、停電時、非常時に使うものであるし、乾電池式の単純で頑丈な懐中電灯をお勧めします。防水機能があればなおよいでしょう。
緊急時というのは、平時とはまったく状況が異なります。いつでも入手できるはずの電池が手に入らないなど当然のことで、その他のあらゆる食料や道具が消えてなくなります。
過去の災害時に起こったトラブルを調べていくと、電池切れによるライトやラジオの不作動が多かったようです。日頃は使わない道具だけに電池切れに気づかず、いざというときには使えない、ということが起こるようです。それでは何のための災害時グッズかわかりません。
防災用のエマージェンシーフラッシュライトは電池を使わないので、どんなときでも明かりを得られます。使い方は、ライト下部にあるレバーを握ったり放したり、またタイプによっては振ったりすることでライト内部の発電機が作動し、電球が光るようになっています。
つまり壊れない限りは、いつでも確実にライトが点くので、その名のとおりエマージェンシー(緊急用)としては最も役立つライトといえます。一般的なライトと比べても劣らず、レバーの動きは固くないので子供でも操作できます。大きさも手頃であり、軽いので緊急避難袋を用意した際には、エマージェンシーフラッシュライトも忘れずに入れておいたほうがいいでしょう。
またラジオと一体になったタイプのものもあり、防災グッズの必需品であるラジオとライトの2つのグッズを別々に持つ必要がないので便利です。
携帯電語は今やライフラインの一部と言うほど普及していますが、多機能化、高性能化で電池寿命が短くなっているのが難点です。大事な連絡中に電池切れ、という経験は誰しもあるでしょう。
最近ではコンビニで非常用電池を売っていますが、災害時にはそれはあてになりません。太陽の光で充電ができるソーラーバッテリーを一つ備えておくと、こんなとき便利です。
携帯電話だけでなく、単3、単4型充電池を充電できるタイプもあります。さらに、太陽電池でなく手回しで発電する充電器もあります。これなら太陽の光が見えないときも安心です。
手回し充電器、懐中電灯、ラジオ、携帯電話充電器を兼ねた「充電たまご」のような製品もあります。
懐中電灯、ラジオ、携帯電話用非常電源など、停電のとき活躍する電気器具に欠かせないのが乾電池です。
電池には乾電池と充電池があります。乾電池は中に貯まっている電気を使い終わると使えなくなります。寿命はありますが、充電池は電気を使い終わっても充電すれば何度でも使えます。
軽くて使いやすいのは乾電池です。市販されている乾電池は、大きく分けると、アルカリ乾電池とマンガン乾電池があります。アルカリ乾電池はウォークマンのような継続的に使用する電気器具に、マンガン電池は懐中電灯のように、つけたり消したりを頻繁に繰り返すような電気器具に適しています。使用しなくても乾電池の寿命は約1年でしたが、最近乾電池の寿命が延びて約2年となっています。
家で非常用の予備電池を備蓄するとき、電池一覧表を作ると便利です。電池を必要とする電気器具を書き出し、それに使用する電池の種類、大きさ、本数を「ラジオ=単一、4本」とか書いて種類別、大きさ別に集計します。その集計したぶんの2倍を常に備蓄しておくと安心です。