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土砂崩れ・土石流の防災対策

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土砂崩れ・土石流のメカニズム
土砂崩れ・土石流の防災対策
 
土砂崩れ・土石流のメカニズム

土砂崩れ・土石流のメカニズム1993年8月に起こった鹿児島県の豪雨。このときは各地の降雨量ばかりが話題となったが、鹿児島県のJR日豊線竜ヶ水駅は土石流に襲われているのだ。空からの撮影で見たニュースの映像では、駅全体が土で覆われたような状態だった。土石流に家屋を飲まれてしまう人もいたほどで、その被害はとても大きなものだったのである。

土石流とは、土砂と岩石が水と一緒になり、その重みで動き、谷を流れる現象をいう。その特徴的な性質は、水の含み方や、土、石自体の大きさによって異なり、一定してはいないのである。
 
土石流の発生の仕方として、山崩れが起っている場合が多いが、その内容は、
① 山崩れが起き、土の塊が壊れ、水と一緒になった動きを伴う
② 天然ダム、人ロダムが壊れ、水が一気に押し出されて土砂と一緒になる
③ 大雨のため川の水量が増えることにより、急勾配の渓床に積もっていた土や、石が移動して、土砂の量が増えてしまう
④ 火山爆発によって流出した物体や崩壊した山の一部が、雪や水と一緒になって流れるとなっている。
 
つまり土砂崩れとなるには、流れを押し進めるための力として、渓床の勾配と堆積された土と砂とが主役となって働くのである。土砂崩れはまるで雪だるまのようにだんだんと大きくなっていく。渓床の勾配や、土や砂の積もり方が大きければ大きいほど、そのスピードは速くなる。そして、それがある程度以上に達したときに、すべてを飲み込む土石流になるのである。

土砂崩れ・土石流の防災対策

土砂崩れ・土石流の防災対策土砂崩れを抑えるための方法としては、土石流の運動を開始させないことで、また土砂崩れが開始したとしても、雪だるまのように成長させないことである。そのためには砂防のダムを作るか、原野に力を拡散させるようにするかだ。もしくは土砂崩れを防ぐ理想的な形を得ることによって動きを止めるか、である。いずれにしても、こういった大規模な事業は国に任せるしかない。
 
土砂崩れは、基本的には山や谷の上から襲ってくるものだ。特に日本は観光化が進んでいる国である。開発が進むことで誕生した土石流発生の危険性のある場所(川、谷を含む)は、全国に約7万ヶ所近くもあるといわれている。これだけの数の地域が豪雨等の影響で土石流を発生させると考えれば、山の付近や山に住んでいる人以外は、雨の多い日にできるだけ山に近づかないことが大事だとわかるだろう。豪雨が起これば土砂崩れが発生する危険性が高くなるので、警戒避難誘導に従い、早めに避難したほうがいい。
 
防災グッズは絶対に身につけなければならない。特に雨や夜間を想定して、頭まで覆われるレインコートと懐中電灯は必需品である。そしてTVやラジオからの情報も確実にチェックしておく。かさ張ってしまうTVはともかく、ラジオは持ち出しても使えるように電池で聞けるようにしておいたほうがいい。
 
土砂崩れに巻き込まれたら、家屋など一気に飲み込まれてしまう。地すべりより被害は大規模となり、しかも予測はかなり難しいとされる、実にやっかいな災害なのである。