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震災後に帰宅する場合の注意点

目 次
帰宅の足の選び方
帰宅ルートの選び方
帰宅する際に持っておくべきもの
食料などの調達方法
家族を探す方法
 
帰宅の足の選び方

地震被災後の対応 被災後に自宅に帰る際に問題になるのが、帰宅の足。徒歩は確実ですが肉体的に大変で、車などは身動きがとれなくなる可能性が大です。
被災後、被災地は混乱しています。徒歩は移動手段としては確実ですが、自宅までの距離はひとそれぞれです。徒歩での帰宅だと、数日かかる人もいるでしょう。長距離の移動は体力を消耗します。移動にかかる時間をまずは想定してみてください。ちなみに革靴で一気に歩ける距離は「10キロ程度が限度」といわれます。

最近、都市部では自転車通勤の人も増えています。ただ道路状態は悪化しています。粉々になったガラス片やがれきでタイヤがパンクする恐れがあります。

車の使用も原則、けがした人や病人の搬送など緊急の場合を除き、控えてください。緊急車両の通行の妨げになったり、渋滞の原因になるからです。道路が寸断され、通れなくなっている可能性もあります。

帰宅ルートの選び方

被災後、帰宅すると決めたら、まずは今いる場所を確認してください。次に自宅の位置や方角をチェックします。そんな時、地図があると便利です。帰宅ルートは幹線道路や道幅の広い道路を選ぶようにしてください。

幹線道路は緊急車両も通行します。そうした車両に注意しながら、なるべく道の真ん中を歩くようにしてください。余震の恐れもありますので、落下物や火災に対する危険性を少しでも減らすためです。

もし、途中に「危険地帯」と指定されている場所があれば、近づかないようにしてください。そこを通過した方が帰宅する上で、近道だとしても、危険地帯に指定された場所に足を踏み入れると、二次災害に巻き込まれる恐れが高くなるからです。

帰宅する際に持っておくべきもの

被災後に帰宅する際に、必ず携帯しておくべきは、「水」、「携帯電話」、「現金」です。

帰宅する際に、食べ物や飲み物が手に入らない可能性もあります。体を維持するためにも最低限の水分(ペットボトル1本分)が必要です。また、もし飲み終わっても、ペットボトルは捨てないでください。途中に給水できる場所があれば、水を入れられる水筒になるからです。

携帯電話は、連絡手段として心強い味方です。バッテリー残量はこまめに確認しておきましょう。途中の避難所などで、携帯の充電器があれば充電を忘れないようにしましょう。

被災直後は、クレジットカードやプリペイドカードなどは使えないと考えてください。ライフラインや各種施設、機器が損傷している可能性が大きいからです。銀行のATM(自動現金預け払い機)も同様です。当面、使えるのは手元にある現金だけと考えてください。

現金がなかったら、銀行の窓口で印鑑と通帳があれば、引き出すことができます。印鑑と通帳がなくても、身元がわかるもの(免許証、パスポートや保険証のコピーなど)を使い預金者であることを証明できれば、預金の引き下ろしが可能になる場合があります(本人証明の仕方や引き出し金額は金融機関ごとで多少違います)。

食料などの調達方法

大規槙な災害が発生した場合、災害救助法が適用され、被災者1人あたり1日約1000円以内の食事が行政から支給されます。こうした物資は避難所に届きます。

避難所生活をしている以外の人でも、被災者には変わりありません。避難所に立ち寄って、食事を分けてもらうことも可能です。ちなみに中身は幕の内弁当のようなものが大半です。

現代の日本の災害で餓死者は出ていません。被災直後は混乱しても3日もすれば状況はかなり落ち着きます。被災地周辺などから救援の手もさしのべられ、食料事情などは大幅に改善されます。まずは身の安全確保です。

食料をとりにいって二次被害に巻き込まれるようなことは避けてください。チョコレートなどちょっとの備えがあれば、急場はしのげます。

家族を探す方法

被災後やっとの思いで自宅にたどりついても、家族がいなかった場合、どうやって捜せばいいでしょうか。

「171」や携帯電話の災害用伝言板サービスなどを利用しても、家族と連絡が取れない状態が続けば不安が募ります。

そんな時は、まずは自宅近くの避難所を捜してみてください。掲示板に情報が貼ってある場合もありますし、顔見知りの人が知っていることも往々にしてあります。

ひょっとしたら家族がけがをしている場合もあります。近くの病院で入院しているか問い合わせるのも手です。個人情報保護法により、病院側はにわかに回答してくれない恐れもあります。非常事態である旨を説明、協力を求めることが大切です。

家族と行き違いになるのを恐れ、自宅に「避難所にいます」などと張り紙する人がいます。これは危険です。被災現場では、弱みにつけ込んで、盗みを企てる輩も横行します。張り紙はまさに留守と公言するようなものです。気をつけてください。