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地すべりの防災対策

目 次
地すべり災害の特徴
地すべり災害の前触れ
地すべりの防災対策
 
地すべり災害の特徴

ここ数年梅雨の時期になると、必ずといっていいくらいテレビから流れてくる土砂崩れ、地すべりのニュース。毎回、画面からは悲惨な状態が流れてくる。
 
地すべりは山崩れに似ているが、発生の仕方や状態が違うために、分けて考えておきたいものだ。地滑りの起こりやすい場所と、発生した際の特徴としては、
 
・特定の岩質、地質構造を持ち、土の移動速度が初めは遅く、だんだん速くなる
・規模が大きい
・傾斜が緩やかである
・滑る面が深くなっている
・土の塊が、原形に近い状態で滑り落ちる
・起こる前に地変現象が現れる
・発生活動が継続的で、再発生しやすい
・発生後、特有の地形を示す
などが、挙げられる。
 
またその他の要因としては、第三紀層地帯、変成岩地帯、火山変質岩地帯で岩質条件が粘土化しやすいというものもある。
 
なぜ地すべりが起きるかというと、地すべり粘土がその土台にある場合が多いからだ。これは粘質土層のことで、これが滑り台となって、上から土の塊が滑り落ちてくる、というわけである。

地すべりは、発生するとその規模は山崩れよりも大きく、滑り台に置き換えて考えると、滑る面に大きな穴が空いた状態になるといった違いがある。この穴はかなり大きく、20~30メートルの深さにもなるほどなのである。

地すべり災害の前触れ

地すべりの防災対策地すべりが発生する前触れとして、地表面が亀裂、陥没、隆起といった変形を起こす。またそれ以外では、構造物が破損し樹木が倒れ、地下水が変動してしまうのだが、この地下水の増加に関しては特に注意が必要である。大雨や雪によって地下水が増加してしまうと、粘着土層の粘土の力を弱めてしまうからだ。そして隙間にある水圧が大きくなることによって滑る面が壊れてしまうのである。
 
ただ、地滑りと、降雨量・降雨時間との因果関係は、はっきりとしていない。だが雨の量が多く降った場合や、地震が起きたとき、自然の状態を見て、何となく変だと感じたら、地すべりを予想して早めに避難所へ逃げたほうがよい。

地すべりの防災対策

地すべりの危険から逃げる時のために、防災グッズの準備は必要である。また、一般的なグッズ以外に、万一土砂の中に埋もれた際、自力で発光するサイリウムやスコーピオンは特に活躍してくれるグッズである。
  
だが、その前に自分のいる場所、住んでいる近くの山(もしくは行く場所)の地形に関する知識と、地質等の確認はしておくべきだ。というのは地すべりは避けられる災害だからである。
 
地すべりは地震等とは違って、あまり聞き覚えがなく、またわかりづらい災害ではある。しかしほかの災害同様、被害はかなりのものになる。しかも、慢性的、もしくは長期間で、継続的に起こることが多い。決し侮ることができない災害なのである。